「太らないワイン女子」など実在するのか
ワイン女子は太らないのだそうです。
いや、そういうことを言い張っている記事を読んだのです。
それによれば、ワイン女子は好奇心が旺盛でエネルギーをよく使い、美意識が高いので、普段から基礎代謝を高め、腸内環境を整えているので食事制限をしなくても太らないのだそうです。
さあ、一つ一つツッコミを入れていきますよ。
まず、この記事では「ワイン女子」なるものを一定数集めて、「ワイン飲まない女子」と比較したわけではありません。
そもそも「太らないワイン女子」が実在するかどうかもわかりません。ライターの妄想もしくはでっちあげと言わざるを得ません。
基礎代謝を高めると痩せるというのはよく目にしますが、そもそも基礎代謝量というのはなにもせずに寝ていても内蔵などの活動を維持するために消費されるエネルギーのことで、筋肉量によって多少左右されますが、基礎代謝を高めたところで痩せるはずがありません。
ワイン女子とやらがいくら好奇心旺盛で、あちこち飛び回って活動していたとしても、摂取カロリーが多ければ太らないはずがないのです。
むしろ、飲み食いしているのに太らないというのであれば、胃下垂や最悪糖尿病を心配します。
腸内環境を整えれば便秘になりにくいということはありますが、それで痩せるということはありません。便秘による体重増加がなくなるだけです。脂肪は減りません。
また、太ると思いながら食事をすると、脳が体を太りやすくしてしまうけれど、ワイン女子はそんなことを考えずに気分をあげて食べるので太らないのだそうです。
もちろんそんなことはありえません。
だったら、太らないと思い込んで食事をすれば、太らない体になるということではないですか。
「プラセボ」に異常な過剰評価をしている人がいます。プラセボは主に新薬開発の効果検証に使われます。
調査対象に対して、片方にはビタミン剤などを与え、片方には本当の薬品を与えて変化を比較する。
プラセボを与えた集団と比べて、明確に変化があるならば、それは薬としての効果があることが証明される。効果が証明されればやっと薬品として商品化ができるわけです。
つまりプラセボは効果がないからこそ比較対象になるのであって、思い込みが体に及ぼす変化などわずか。
そもそもプラセボにそんな多大な効果があるならば、薬品など開発する必要がありませんね。
こういうのを見るにつけ、ワインはまだまだ日本に根づいた文化ではないのだなと思います。
だって、本当に根付いた文化であればこんな9割妄想の記事でワイン女子をプッシュする必要はないですから。
こういうくだらない「ワインを飲む女性=クールでおしゃれ」みたいな認識がなくなったときこそ、日本にワイン文化が根付いたといえるのではないかと思います。