ワインにおける「マリアージュ」とは何か?
記念すべき2010年11月16日、ユネスコの無形文化遺産として、フランスのガストロノミーが世界初で認定されました。ガストロノミーとは、単なる「美食」や「料理の技術」だけではなく、料理を中心とした様々な文化的要素が申請対象となります。
最近よく聞かれるようになった「マリアージュ」とは、フランス語で「結婚」を意味しますが、ワインと料理についてこの言葉が使われる際はワインと料理のベストマッチな「相性」を指します。つまり、ワインと料理の「マリアージュ」を考えることは、文化遺産に触れることと言っても過言ではないのです。
さて、「料理にどんなワインを合わせたらいいのか難しい」という声もよく聞かれますが、味の好みというのはかなり個人差がありますので、実際は「この料理にはこのワイン」という決まりはありません。ただし、いくつかのポイントを知っておくだけで、格段にワインを選びやすくなりますので簡単にご紹介したいと思います。
◆同類型=サッパリしたお料理にはサッパリしたワインを、こってりしたお料理にはこってりなワインを合わせます
・酸味が特徴の「ヴィネグレットソースがけサラダ」には、マスクメロンに似た香りと酸味が豊かなことで知られる「ミュスカデ」を
・脂肪分が多い「フォアグラ」には、コクのある甘口の貴腐ワインである「ソーテルヌ」を
◆対比型=スパイシーな料理や塩気の強い料理に、甘みのあるワインを合わせます
・「スパイシー」なアジアンテイストのお料理に、甘みのある白ワイン「ゲヴェルツトラミネール」を
・塩気の強い、ブルーチーズの代表「ロックフォール」に、甘みが特徴の貴腐ワイン「ソーテルヌ」を
◆同郷型=食材などの原産地や生産地が同じである料理とワインを合わせます
・「クロタン・ド・シャヴィニョル」という、フランスのロワール地方のシェーヴル(山羊乳)チーズに、同じロワール地方で造られた辛口の白ワイン「サンセール」を
・牛肉の赤ワイン煮込みである「ブッフ・ブルギニオン」に、その煮込みで使用したものと同じ赤ワインを
これはほんの一例ですが、思い浮かんだ組み合わせ、マリアージュがあれば色々と試してみて、自分なりの「最高のマリアージュ」を見つけてみて下さい。