ワインから甘さが減ったのは砂糖の普及とは関係ないのでは?

ワインという飲み物は、紀元前というか有史以前の新石器時代にはすでに作られ始めていると考えられているそう。同じく紀元前数千年前から作られていたビールよりもさらに古い歴史を持っています。

ただ、初期のワインはアルコール発酵の技術が確立されていなかったこともあり、アルコール度数は低めで、糖度が高い、甘い飲み物だったといいます。

水事情が悪い欧州では、ビールなども、嗜好品というよりは「安全な水分」として用いられていたといいますが、ワインもまた、そのまま飲むとお腹を壊しやすい硬水を薄め、飲みやすくするためのものとして使われていた時代もあったようです。

それが、時代とともに技術が進歩し、アルコール度数が高い飲み物になっていきました。そして、少しずつ嗜好品としての要素を強めていくようになります。

アレクサンドル・デュマの『三銃士』は、17世紀初期のフランスを描いた物語。

喧嘩っ早くて女に弱い田舎から出てきたチンピラが、近衛というのは名ばかりのチンピラの三銃士とつるんで、枢機卿の手下のチンピラやイギリスのチンピラと喧嘩する今で言えば不良漫画みたいな小説。

2011年のポール・アンダーソン監督の邦題『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』に出てくるダルタニャンがまるでチンピラだなんて、日本のアニメやなんかのお行儀のいい三銃士しか見たことなくて原作読んでない連中が批判したりしますけど、あの映画のダルタニャンは原作よりはまだマシな感じ。

まあそれはおいといて、その頃にはもうワインはすっかり嗜好品となっていました。

フランスの小説なのに、スペイン産のワインのほうが上質みたいに言っている部分もあっておもしろいです。この小説を読むと、ワインは気取ってお上品に飲むものではないことがわかります。

さて、あるワインに関する記事に興味深いことが書いてありました。

ワインは、19世紀に砂糖を大量生産できるようになるまでは、糖を補給するための飲み物であり、砂糖が普及して糖をワインから摂取する必要がなくなったために、だんだん糖分が少ない辛口になっていったのではないかというのです。

何だコレ?という感じですね。

さて、人は活動するのに必要な炭水化物をどこから摂取してきたでしょうか?

それは穀物。

この問題は多分小学生でも答えられると思います。西洋では、小麦を中心に、大麦、燕麦、ライ麦などが利用されてきました。

もちろんヒエラルキーによって違ってきますが、豊かな人は充分な麦を得られるためワインで糖を補給する必要はなく、貧しい人は充分な麦を得られなかったとしても、その代替としてワインを入手することもできなかったでしょう。

19世紀になるまで、ワインを飲まなければ糖を補給できなかったなどというのは、牽強付会というよりは妄想であるとしか言いようがありません。栄養学の知識がなくても常識があればわかります。

ワインに甘いものが減ったとか、そういうことは、おそらくそのような単純なものではなく、食文化の変化や醸造技術、経済や流通など複雑な要因が絡まりあった結果であり、その道の専門家でなければ説明できないことではないでしょうか?

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