ワインの味の違いを読み解くなら、まずは品種の違いを

ワインを飲む機会が増えると、ワインの味の中で最初に区別できるようになってくるのが、ブドウ品種の特徴です。

それだけワインの味わいは、ブドウ品種の特徴を反映しやすいものなのです。たとえ違う銘柄でも、ブドウの品種が同じなら、共通して感じられる香りや味わいがあります。

たとえばシャルドネの香りや、メルローの渋い味わいなどは、どんな銘柄も大切に残そうとする、そのブドウ品種ならではの個性でもあります。その個性は、若いワインであればあるほど分かりやすく、そういったものを意識しながら飲むと、私たちの舌はよく鍛えられます。

各々のブドウ品種の個性を把握すれば、産地や造り手の醸造方法の違いも、分かってきます。

ブドウ品種の個性をどのくらい引き立てているか、あるいは、逆に抑制しているか、といったこだわりから読み取る事ができるようになります。ワインの造り手が、ブドウ品種の個性をより生かすために気を配っているのが、醸造に用いるブドウの鮮度です。

近年は保存技術も進歩しており、ブドウの鮮度が落ちて、ワインに雑味や不快な匂いが混じる駄酒になる事はほとんどありません。

長期保存できるように、ジュースに加工しておいたものをワインにする事も出来ます。

しかしこれらは、生ブドウから作るものに比べて味わいが単調になってしまい、気軽に味わえる反面、すぐに飽きがきてしまいます。やがて、こうした単調な味わいのワインではもの足りなくなってきた時に、長い熟成を経た複雑な味わいのワインを好んで飲むようになります。

高級ワインの味が分かるのもその頃で、ここでは、若いワインでは明らかだった、ブドウ品種の特徴が薄らいでいることに気がついたりもします。

ワインは、最終的に熟成すればするほど、果物の風味が弱くなり、赤ワインも白ワインも同様に枯れた風味に落ち着いてゆくのです。

ともあれ、まずは品種による差異を楽しむことが、ワインを楽しむ秘訣。

それぞれの品種に特性がありますので、簡単に把握しておきましょう。

まず、赤ワインの味わいポイントは、渋みの違いにあります。

酸味の弱く、親しみやすい品種に、グルナッシュ、メルロー、シラーなどがあります。こちらは初心者にも分かりやすいのでおすすめです。

また酸味が強く、よりエレガントな味わいを求めるのなら、サン・ジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワールを比べてみると、違いがよく分かるでしょう。

対して、白ワインの場合は、味わうポイントは香りにあります。

白ワインの中でも特に香りの華やかな品種にリースリングがあります。他にも、シュナン・ブランやシャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなどを比較するといいでしょう。

また、口当たりも優しい、酸味の弱い品種に目を向ければ、セミヨン、甲州などといった品種があります。これらの品種の違いは、ワイン選びの時の目安になります。ぜひ比較して、舌で覚えておきましょう。

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