ワインの出来が、年や畑の場所で変わってくる理由とは?
例を挙げるとしたら、ブリュゴーニュ産のワインが一番分かりやすいと思います。フランスのブリュゴーニュ地方は非常に狭く、作り手が一緒、原料のブドウの品種も一緒なのに、風味が全然異なるワインが出来るのです。
その理由として、地層の構造が場所によって異なり、畑のある標高や向き、そして傾斜、特に傾斜によってブドウの日射量と水はけが大きく変わってきますし、向きによっても日射量だけでなくその土地の平均気温が変わってくることが理由として挙げられると思います。
フランスのような北半球の高緯度に位置するところでは、太陽の光が垂直に当たることはありませんから、お日様の光を効率よく吸収するためには、傾斜が重要になります。よってフランスより寒い地方、例えばドイツなどではより傾斜が重要になってくるのです。
また土壌の種類や、それに含まれるオリゴ糖やミネラルなどの量や質もワインの出来に影響を与えます。これらはブドウ以外の植物の成長にも重要な影響を与えます。
たかが畑の傾斜と思われるかもしれませんが、傾斜が急なところから緩やかにだんだんなっているところと、傾斜が全く無い平たんなところとを比較すると、同じ品種のブドウであっても、成熟度合いに天地の差が出て来ます。
そのブドウの出来不出来によっては、十倍以上も価格が変わってくることがありますから、作り手が一緒であっても、ワインの出来はそのままブドウの出来次第であるという発想で考えなければなりません。