ワインの「重い」「軽い」という表現は、どういう意味なのですか?
ブドウやスイカ、或るいはメロンなどの果物を食べた時のことを思い浮かべてください。これらのものを美味しく感じるのは、水っぽい時ではないはずです。おそらく甘み、香り、味が濃い時こそ美味しく感じると思います。
ワインを製造する時、濃いブドウを原料にすると、味や香りを含む様々な要素が凝縮され、いわゆる「重い」と表現されるモノができます。赤ワインの中で「重い」と表現されるワインは、甘みも、渋みも、酸味も、香りも、何もかも強く、さらには色までも濃くなります。
反対に「軽い」と表現されるワインは、味も、酸味も、渋みも全部弱くなり、色も明るい傾向にあります。
85%の水分と12%程度のアルコール、残り3%未満の味や香りの要素、これが赤ワインの中身の成分です。そして最後の3%未満の部分が、ワインの味の方向性を決定づけるのですから、3%と範囲が極小である故に、些細な差がたいへん大きな影響力を与える事になります。
早い話が、甘みや渋みや酸味といったモノの小さな差が、ワインの重い軽いを左右するのです。
以上の事から、ワインの「重い」というのは味の複雑性や香りの広がり、余韻の長さを表す良い表現なのだとわかっていただけると思います。