どのような要素からワインの味わいができているのでしょうか?

酸味がワインの基となる味わいであるのは周知の事実。そしてこの酸味を生み出す最も重要な成分はリンゴ酸と酒石酸です。含有量でいえば酒石酸と同じくらい含まれるリンゴ酸ですが、このリンゴ酸は青リンゴの酸とよく形容されます。

これは成熟しきってないリンゴにあるような、粘膜を引き締める収斂性のある後味が良い酸味だからです。この収斂性のあるリンゴ酸とちょっぴり苦みが漂う酒石酸の両方を白ワインは含んでいて、あたかも柑橘類のクエン酸のような味わいを白ワインに与えます。そして瓶内で熟成させることにより、収斂性のあるリンゴ酸はだんだんとやわらかくなっていくのです。

またワインに含まれる糖分は微量です。ただしアルコール発酵させる時の中間生成物であるグリセリンは大量に生成されます。量はほぼアルコール量の10分の1から15分の1ぐらいでしょうか。そしてこのグリセリンはぶどう糖と同様の甘み度合いを持ちますから、これがワインの甘みの基の一つになってます。

さらにアルコール自身も甘み度合いを持っており、これはアルコール度数40度のウォッカを冷やして飲んだ時、甘みをかすかに感じるのと同じです。

ワインの甘みと、アルコールが生み出す刺激ある甘みが、ワインの厚みを決定づけます。早い話がワインの太り具合です。それの太り具合を均等のとれた引き締まった状態にもってくるのが酸、苦み、渋みです。

赤ワインは渋みが白ワインよりも多く感じられますが、渋みは一般に収斂性、前述したように粘膜を引き締める事を言いますので、味覚ではなく、舌の触感であると言えます。また、ほんのり塩味や旨味を感じるワインもあります。

関連記事

ページ上部へ戻る