きめの細かなワインとは、どのようなモノを指すのでしょうか?
ワインのボリューム感や酸の状態を含めた全体的なバランスがとてもなめらかな状態のワインを、一般的にきめの細かいワインと呼びます。そしてそのきめの細かいワインは総合的に良いワインと言えると思います。
ここで上質なボルドー産ワインを例に挙げて説明してみましょう。
上質なボルドー産のワインを瓶詰めをした直後に飲むと、どんな上質なワインであっても苦み、そして特に渋みがより強く感じられて、バランスが極めて悪い状態のワインだと感じることでしょう。
ところが同じワインを10年以上保管してから飲んでみると、あれほど強かった苦みや渋みがどこかへ行ってしまい、その代わりにいろいろな香りがワイン全体から出てきて、総合的なバランスが絶妙な、あえて例えるなら、きめ細やかなシルクのようなワインへと変貌と遂げているはずなのです。
フィネスという言葉は普通、「繊細さ」と訳されます。ですがワインに関しては、「上質なきめ細かさ」と言い換えても良いのではないかと感じるところです。