熟成するだけで「古酒」を作ることができる?
どんなワインでも長い年月熟成させれば「古酒」にすることができるの
でしょうか。実は、ワインによって違ってくるのです。
本来、ワインというのは新鮮さ、フルーティーさを楽しむために作られ
ています。よって2~3年、長くて5~8年で熟成のピークが来てしま
います。これは「飲み頃」というものです。それを過ぎてしまうと衰え
てしまい、本来の良さを発揮することができません。よって、普通のワ
インでは古酒になると飲めたものではありません。
しかし、ワインの中にはかなり長く熟成しないと良さを発揮できないと
いう造り方をしたものがあります。だいたい15年~20年ほど寝かさ
ないと真価が問われないものです。
このように、もともと長期熟成を想定して造られたワインだけが熟成の
ピークを過ぎても、次の段階として「古酒」になることができるのです。
もはや、新鮮味やフルーティーさはなく、ワインとはいえないけれど、
絶妙な深い味わいをもった「古酒」として楽しむことができます。
古ければ良いわけではなく、それぞれのワインの熟成のピークを逃さず
にワインを楽しむことが重要なのです。そのタイミングさえ間違えなけ
れば、ワインの作り手にとっても私たちにとっても幸せな時間を味わう
ことができるのです。