ワインにおける「熟成酒」と「古酒」

よく、「ワインはよく寝かせると美味くなる」と聞きます。時間が経ったワインの味わいの中で「熟成酒」と「古酒」という分け方があるのをご存知でしょうか?熟成して、古酒になっていくので境界線がはっきりしているわけではありませんが、ご紹介したいと思います。

「熟成酒」のほうは、ワインの新鮮さ、フルーティーな味わいは失われておらず、熟成されることによって独特の熟成香が高いものをいいます。さらにタンニンや酸味など様々な要素が絶妙なバランスで釣り合っているという、複雑で洗練されたまろやかさを出しているワインです。

「古酒」はというと、長い年月によりワインの新鮮さ、フルーティーな味わいはなくなってしまっています。つまり、ワインとは全く別の独特な香りと味わいのものに変化してしまっているのです。よって、通常のワインとして、うまいまずいと言うわけにはいかないのです。

さて、この「古酒」は長い年月寝かせれば味わい深いものになるわけではありません。著名なシャトーの古酒でも保存状態の良し悪しによって味が変わるものなのです。保存状態が悪ければ、香りはよくても、酸味・渋み・舌触りなどダメージがはっきりと出てしまいます。

ある酒造りの名手がこう言いました。「古酒には2つある。1つは美しいミイラ、もう一つは骸骨だ。」

美しいミイラとなった古酒に出会ってみたいものです。

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