ワイン界に通ずるワイン語なるものはご存知?

ワイングラスに注がれた一杯のワイン・・・、一口含んだ後、その味わいをあなたはどう表現しますか?

「おいしい」「おいしくない」といった表現は分かりやすいですが、奥行きあるワインの味わいを表現するには単純過ぎるかもしれません。

そこでワインの味わいを表現するのに「ワイン語」ではありませんが、独特の語彙、表現法を知っておくとワインの深い味わいを伝えやすくなります。

例えば、口に含んだ第一印象を表現するのに用いられる「アタック」、ワインが持つコクや味わいの重みの大小を現すのに用いられる「ボディ」といった語彙。

しかし、ここで気をつけなければなりません。ワインの世界にはあって日本語には無い言葉、同じような言葉であってもその内容にずれがある語彙もありますから、正確な意味合いを理解して使う必要があります。

例をあげるなら、先ほど挙げた「ボディ」ですが日本語では「酒躯(しゅく)」といった造語を宛てている場合もあるほどで、日本語にはない語彙と言われています。この「酒躯」と言う表現が「ボディ」で現されているニュアンスに直結するかといえば少々難があります。

また同じような言葉であってもその内容にずれのある語彙として「渋味」があげられます。この言葉にまつわるこんな実例があります。

ワインの本場・フランスの造り手で試飲させてもらい「この渋味が実にいい」とフランス人の造り手に伝えようと、フランス語の辞書で渋味をあらわすとされていた語彙「アストランジャン」を用いたところ、そのフランス人はおかしな顔をしたのです。

フランス人にとって「アストランジャン」は渋味の中でも、まさしく渋柿などで味わう収斂性があったりする、悪い場合にしか用いない語彙だったのです。

ワインの味わいとしての「渋味」を表現したければ、ワインの世界では「タンニン」という言葉を使います。「タンニンが豊か」とか「タンニンがこなれている」といった表現。

この「タンニン」、日本人としては化学物質の響きが強いですが、ワインの世界では、十分なワインの味わいの奥行きを表すのに用いられています。

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