デザートになるワインをご存知ですか?

甘口ワインの中には極甘口ワインというのがあります。この極甘口ワインは値段も高く、高級品として扱われています。値段が高いのは、極甘口にするための人為的操作が入るため手間がかかるからです。

では、極甘口ワインはどのように造られているのでしょうか?

ワインは普通に造れば中甘口くらいにしかなりません。これはブドウに含まれる天然糖分に限界があり、その糖分は醸造過程でアルコールにほとんど変化し、糖分はそれほど残らないからです。

そのため、極甘口ワインを造るには、特別な仕方で仕込む前のブドウの糖分を高くしてから醸造する方法と、発酵途中で発酵を止めて果汁の中に残糖分を多く残す方法が用いられています。

まず特別な仕方で仕込む前のブドウの糖分を高くする方法で造られる極甘口ワインには、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、フランスのソーテルヌ地区の「シャトー・ディケム」、ハンガリーの「トカイ・アスーエッセンシア」が世界の三大貴腐ワインとして有名です。

貴腐ワインとは、ボトリティス・シネレア菌が完熟ブドウにつくとその中に入り込んでブドウの水分を蒸発させ糖分だけを残し、見た目には干しブドウのような状態にします。これを貴腐現象と言います。

こうして貴腐ブドウとなり糖分の高くなったブドウを用いて天然の極甘口ワインを造ります。

また発酵を途中で止めて残糖分を多く残す方法でよく行われるのは、発酵途中の果汁にブランデーを入れるやり方です。ブランデーと言うアルコールを補強して造られるわけですから、フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)と呼ばれています。

代表的なものとしてスペインのシェリー、ポルトガルのポート・ワイン、マディラ・ワインなどがあります。

これらの極甘口ワインは「デザート・ワイン」とも呼ばれていて、食事と一緒にいただくワインと違い、食事の後または単独で飲まれています。

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