北海道のトンネルでワインはよりおいしく熟成される
ワインといえば古いものほど値段が高いというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?
実はワインの値段というのは、生産年のブドウの品質や生産量などにも左右される上、長期熟成に適さない品種もあるため、古ければ必ずしも高いというわけでもありません。
ただ、長期熟成に適したワインが、好適な環境で熟成されたものは、やはりある程度値段は高くなります。
時に沈没船の中で長期間放置されていたワインが引き上げられて話題になることもありますが、やはりそんな偶然に頼るよりもきちんと管理されたもののほうがおいしく熟成される確率は高くなります。
現在は機械的にワイン熟成に適した環境を管理することも可能。しかし、本来季節による気温や湿度の変化が激しい日本では、自然環境下でワインを熟成させるのは難しいことです。
ただ、条件さえ合えば日本でも自然環境下でワインの熟成をさせられます。今ちょっと注目されているのが、北海道の日高山脈にある、発電所の作業トンネルだったところで熟成されたというワイン。
トンネルはもともと水力発電所のダムの地下100mに作られたもの。年間を通して気温9度、湿度80%を保ち、光を通さないトンネル内は、まさにワイン熟成にぴったりの場所。
もちろんトンネルというのは人工環境です。ただ、機械的な管理が行われていないという点で、自然環境下での熟成が行われると言っていいでしょう。
このトンネルを管理している日高ブランド株式会社は、一般の個人から企業までを対象にワインをトンネルに預かり、クライアントの求める期間熟成させます。
日高のトンネル熟成ワインは、ワインの専門家からも高い評価を得ているとのこと。また、このトンネルでは通常は熟成をさせない日本酒の熟成も行っているそうです。
これだけ理想的な熟成環境をもったワイン貯蔵庫は日本にはなかなかありません。
もし熟成に適したワインを所有していて、それをよりおいしくしたいというのであれば、このトンネル熟成を利用してみてはどうでしょうか?