ワインの保存はワインセラーが絶対お勧めな理由
ワインを保存するのに室内放置は論外であるというのはどなたもご存知でしょう。
山梨大学のワイン科学研究センターは、赤と白の同じワインを4度、14度、35度に保った保存庫と、年間を通じて温度が変化する倉庫の4箇所に最長1年置いて、どのような変化をするか、ソムリエによるテイスティングのほか成分検査も行って調べました。
当然のことながら、35度と倉庫のほうは酸味、苦味が大きく増えて劣化したということ。
4度と14度では、どちらも成分の変化、減少は少なかったものの、テイスティングでは14度のほうが熟成が進んでいるように感じられたそうです。
4度というのは一般的な冷蔵庫、14度は専用のワインセラーです。
ワインを保存するならワインセラーのほうがいいというのは、熟成が進むからという理由だけではありません。
例えば冷蔵庫の庫内は乾燥しています。ボトルにしめたコルクは、乾燥すると縮んでボトルとの間に隙間ができて空気が入り、酸化が進みます。しかし、ワインセラーは内部を適度な湿度に保つ機能もあります。
また、冷蔵庫内には様々な臭気を放つ食べ物もしまわれています。もしコルクがゆるんで隙間ができてしまったら、その臭気も入り込み、ワインについてしまいます。それと同時に、ワイン自体の風味は飛んでいってしまいます。
ワインを寝かせて置けばコルクにワインの水分が吸われて乾燥しにくくなります。
しかし、普通に使っている冷蔵庫の中にワインボトルを寝かせて置く場所を確保するのは、一人暮らしならどうにかなっても、ご家族で使っているなら難しいでしょうね。
その点ワインセラーは最初からボトルを寝かせて置くように設計されています。
それに、冷蔵庫は定期的にぶいーんと音を立てて振動します。それに、ドアの開け閉めをしても振動が起きます。実は、ワインは振動が加わっても成分が変化すると言われています。
ワインセラーは振動が起こらない冷却システムを使っており、冷蔵庫のようにしょっちゅう開け閉めすることもありません。
そんなわけで、本格的にワインを楽しむならワインセラーは必須アイテム。
「でも、置く場所もないし、お高いんでしょう?」と思うかもしれませんが、家庭用ワインセラーなら1万円台からあるし、例えば小さな8本用ワインセラーなら、高さと奥行き50cm程度、幅も30cm程度で、部屋の隅っこに置いてもじゃまにならないサイズ。
近年のワイン消費量増加に合わせてバリエーションも増えてきていますから、場所と予算に合ったワインセラーを探してみてはいかがでしょうか?