立てるワインと、寝かせるワイン!?

ワインは従来からボトルを横に寝かせることになっています。これは栓にに使われるコルクの特性にあります。コルクは地中海地方に原生するコルク樫から作られます。

コルクは優れた弾力性、防湿性、防腐性があります。また毒性もなく、古代ローマ時代からワインボトルの栓として使われていましたが、一方で乾くと弾力を失って縮むという欠点もありました。

つまりボトルを立てるとワインとの間に隙間が出来てコルクは乾燥し、弾力を失い縮むことで密閉性が損なわれ、空気が入り込み、ワインが酸化してしまう。

そのため、ワインボトルは横に寝せておくとコルクが乾燥せずに品質劣化が防げる、というのが従来のワイン愛好家の通説です。しかし最近ではその説に異論を唱える声が聞かれるようになりました。

マット・クレイマー氏による英国のロング・アシュトン研究所の実験によれば、ボトルを立てて貯蔵した場合と寝かせて貯蔵した場合を比較したところ、2年経っても中味にさほど変わりがないことが証明されたそうです。

ただ、外気の湿度が低くなって乾いていたり、コルクの栓が抜けにくくなる事を考えると、やはり従来どおりコルクのボトルは「寝かせて」保管するほうが無難のようです。ただし合成コルクは縮まないので横に寝かせる必要はありません。

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