ワインの香りを知るためには、ワイン以外の香りの経験を積むことが大切
外観からワインの特徴を三割ほど予測したあとは、その特徴をよりはっきりとさせるために、香りをチェックします。
グラスにそのまま鼻を近づけ、一秒、香りを嗅いでみましょう。このときぱっと直感した香りの事を、「香りのアタック」と呼びます。
最初は、すっきりしている、甘い感じ、などの香りのおおまかな特徴や、鼻で感じる匂いの強さ、または、単純なひとつの香りではなく、色々な香りの要素が集まっているような感じかどうかという、いわゆる凝縮感をチェックします。
以上の項目がチェックできれば、次に三秒ほどかいで、それぞれの香りの表現を見つけます。
柑橘系の香り、花の香り、などの大まかな表現でも充分です。ぱっと聞いただけで思い浮かべられないような難しい表現は避けましょう。
普段から匂いに関するさまざまな経験を積んでおけば、グレープフルーツ、白コショウなど、具体的な果実やスパイスなどの名称で表現できるようになります。
こういった具体的な表現を使っておくと、後に再び同じ香りに出会ったときに、香りの系統で分類したり、その間の僅かな違いを調べ、より深い香りに気づく事もできるので、嗅ぎ分けられる香りの種類がどんどん増えていきます。
一度にたくさんの香りを嗅ぎ分けるのは難しいですから、何度も経験を積みながら、できるだけ多くの香りの要素を見つけていきましょう。
最後に、ワインをかき混ぜるようにグラスをまわしてから、再び鼻を近づけます。
この行為を「ワインを開く」と言います。普段は現れず、空気にふれることで現れる隠された香りをチェックします。
このとき、ワインを開く前に調べたのと同様に、香りの複雑さをチェックします。
ワインを開いたときに現れる香りの複雑さは、それぞれのブドウ品種が生まれつき持っている特性や、ブレンド、または熟成の過程で加わる樽香などによってもたらされます。
そして最後に、そのまま香りの持続性をチェックして、香りのチェックは終了です。
持続性のチェックはさほど難しくありません。グラスを鼻から遠ざけたとき、まだ香りを鼻に感じるようならば、香りの持続性があるワインだと言えます。