年による出来・不出来が起こってしまう理由
ワインは毎年その出来・不出来がマスコミによって宣伝されます。一般的に、良いブドウがたくさん取れれば良い物ができて、ブドウが不作の年は出来が悪くなると考えがちで、多くの方はそう思っているようです。
確かにヴィンテージチャートには大豊作と書いてあるけれど、実は必ずしも出来がいいとは限らないのです。ブドウの採れ過ぎで過産になった結果平凡なものになってしまったり、良いブドウだったのに醸造元が失敗してしまったりと理由は様々ですが起こりえることなのです。
逆もまた同じ。ヴィンテージチャートには不作と書いてあっても、とても良いワインにめぐりあうことがあります。気候が悪く(冷夏など)もう駄目だと思っていたら、収穫期に天候に恵まれてよいワインになったということがありえるからです。生産量が少ないとしても、極上のワインは出来るものなのです。
こうして、一般論に加えて気候や生産者側の行動など様々な要素で出来・不出来が決まってきます。さらに、消費者を混乱させるのは商業的な思惑です。
取引量の多いワインは数フラン違うだけで、利益が大きく変わってくるものです。業者により、良いワインが、けなされてしまうなど、デマや中傷などが飛び交うことも・・・。また、最初に書いたようにマスコミもはやし立てるので本当のことが分からなくなってしまいます。
あくまでもこれらは予想でしかありません。たいしたことないワインでも年月が経つと持ち直すこともあるのです。総括的な評価をしたり即断したりするのは危険だということ。だからこそ、徹底的にこだわることで面白くなっていくのがワインの世界だと思うのです。