「デカンタージュ」で素敵なワインライフを演出しよう!
ワインの底にたまる澱(おり)は熟成の進んだ証であり、味わい深いワインであることを示してくれています。
しかし、注ぐときにグラスに入ってしまえば味は台無し。その澱を防ぐために「デカンタージュ」を行います。
デカンタージュとは、ワインをボトルから「デカンタ」と呼ばれる容器に移しかえることです。澱を取り除く目的もあれば、注ぐことで空気に触れさせ、ワインの味わいを目覚めさせる役割も果たします。
しかし、購入したワインがデカンタージュすべきかどうか、見た目ではなかなかわかりませんよね。
そこで、どんな種類のワインがデカンタージュに向いているのかまとめてみました。
デカンタージュすべきワイン
1)澱の出やすいワイン
澱が出やすいのは、果実や種子ごと発酵させる赤ワインです。
中でも以下のものが出やすいとされています。
・ポートワインの年代物
・ボルドー、ローヌ、リオハ産のもの
・カベルネ・ソーヴィニヨン種、シラー種のフルボディ
2)デカンタージュでワイン風味がよくなるワイン
・若い高級ワイン
空気に触れることによってタンニンの苦みが押さえられます。
その分、ワインの個性が際立ちます。また、香りの変化も楽しめます。しかしニューワールド産のワインはデカンタでの変化が少なく、必ずしもこの例に当てはまらないそう。
・若いシャルドネ、年代物のリースリング、リオハの白ワイン
3つとも白ワインです。空気に触れると風味が良くなります。
以上のように、デカンタージュするのは必ずしも赤ワインではなく、また年代物とも限らないのです。しかし、安物のワインにはあまり必要ないようです。
ちょっといいワインを購入したときは、専門家に相談してみましょう。
どのタイミングでデカンタージュすればいいの?
空気に触れさせるといっても、デカンタージュ後どれくらいの時間をおけばよいのでしょうか。一般的に古いワインは風味が飛ばぬうち、つまりデカンタージュ後すぐに飲む方がよいと言われています。
逆に若いワインはデカンタージュ後数時間、もしくは数日もつものもあるそうです。ただ、この例に当てはまらないものもあります。
ベストな風味を味わうには、時間の経過を見ながら味見をする必要がありそうです。
数時間で風味が変化するワインなら、グラスに注いだ後も風味の変化が楽しめます。飲んでみて「味に変化がないな」と思ったらもう一晩置いてみると良いでしょう。
最後に・・・デカンタージュの魅力とは?
ここまで気を使いながらワインとつき合わなくてはならないと思うと、本当にワインが大好きな人か探求心旺盛な人以外は難しいのでは?と感じてしまうかもしれません。
確かにデカンタージュなしでも飲めるワインはたくさんあります。ただ、デカンタージュは素敵なワインタイムを演出するパフォーマンスのひとつでもあるのです。
デカンタにも様々なデザインがあり、テーブルを華やかにしてくれます。いつもとちょっと違うワインタイムを楽しみたいなと思ったときにも、デカンタージュはおすすめです。
完璧を目指さず、肩に力を入れず、楽しみのひとつとしてデカンタージュを気軽に取り入れてゆきたいですね。