ワインの味の違いを読み解くなら、まずは品種の違いを
高級ワインのラベルをよく見てみると、一級や特級のような、格付けがなされている物を見かける事があります。それらは、ワインの品質を保証するためにつけられたもので、品質の高いものほど高い等級がつけられています。
それぞれの国や地域が、独自に定めるこれらの格付けですが、元を正せば、それぞれの国のワイン法という法律に基づいて定められたものです。
ワイン法とは、過去にボルドーワインを騙ったモロッコ産のワインなど、粗末な偽物が出回った歴史をふまえ、それらを排除し、ワインの品質を守るという目的で作られたものです。
これによって地域全体のワインの品質に、一定の水準がもうけられ、買い手が安心してワインを選ぶことができるようになっているのです。
格付けが上のものほど、高品質が保証されます。しかし、味も格付けに従って、おいしくなってゆくのか? といえば、やはり好みがありますので、一概にそうとは言えません。
さらに、かつての格付けが今の品質に見合わなくなったりする事も、ざらにあるようです。
ブルゴーニュの場合はブドウ畑に対して格付けされるなど、産地によってルールは異なっていますが、作り手の世代交代などによって、いままで本格的な味わいのクラッシックワインばかり造っていたのが、一般でも親しみやすいポピュラーワインを造るようになったりなど、ワインのスタイルや味わいがガラリと変わったりするのです。
自分好みのワインでなければ、たとえ品質は特級ワインでも美味しく飲めるわけではないので、気を付けてください。
しかし、価格の方は格付けに忠実で、一般的には格付けが上の物になるほど高くなる傾向にあります。
ワインを買うときには、値段や格付けをチェックするよりも、飲み手の評判や、専門家による最新の評価を聞いた方が、ずっとあてになることが多いものです。
無名のワインにもダイヤの原石は隠れています。実際に飲んでみなければ、そのボトルのことは何もわかりません。
ワインの種類は無数にありますので、これというワインに出会えるまで、地道に探してゆきましょう。