美容にいいのは白ワインより大豆という事実
私はだいたい嗜好品に「体にいい成分が含まれる」というのはどうでもいいことだと思っているのですが、世の中にはそういう情報が溢れていますね。
最近よく目にするのは「白ワインが美容にいい」という情報。
例えば、白ワインにはカルシウムとマグネシウムがバランス良く含まれているので「骨粗鬆症予防にいい」などという情報があります。
今のGoogleはすごいです。「白ワイン マグネシウム」で検索するとなんとその情報が記されているサイトよりも先にそのものずばりの数字が出てきます。
それによれば、白ワイン100gあたりにマグネシウムは10mg、カルシウムは9mgだそうです。
ちなみに、栄養学で一般的にバランスがよいとされるカルシウムとマグネシウムのバランスは、カルシウム2:マグネシウム1です。9:10のどこがバランスがいいのでしょうか?
それと、カルシウムの1日の推奨摂取量は650mgです。つまりマグネシウムは1日325mgが推奨。白ワインでマグネシウムを325mg摂ろうと思ったら3,300g飲まないといけません。
比重1の水の場合3,300gは3,300mL。アルコールを含むワインの比重は水よりは低くなるとしてもまあそれほど変わらないでしょう。
つまり3Lは飲む必要があることになります。カルシウムをその推奨分摂ろうと思ったら6L。
健康になる前にアルコール依存症になります。
それよりも、カルシウムを摂るなら牛乳など乳製品、マグネシウムを摂るなら大豆製品の方が効率的。
別の情報として「白ワインは有機酸を含むから腸内環境を良くする」というものもあります。
しかし、アルコールは腸内環境を悪化させることがわかっています。多少の有機酸を含んでいてもその大部分はまず小腸から吸収される上、アルコールによる悪化で打ち消されてしまいます。
腸内環境を良くしたいなら酒など飲まずに、食物繊維と善玉菌の餌であるオリゴ糖をよく摂ること。大豆にはマグネシウムもオリゴ糖も含まれるので白ワインよりおすすめ。
酒を飲んで美容にもいいなんて、都合のいい話はこの世に存在しないと思いますが・・・。