たぶん100年たっても中国にワインは広まらない
中国という国は外貨で保っている国なので、外貨獲得に必死です。だから、中間層によるいわゆる「爆買いツアー」については、共産党は批判的です。
ただ、中国製品の質の悪さは世界的に知られるところなので、これまでのようなただ安いだけのものは家電にしろなんにしろ売れなくなってきています。
そこで中国が力を入れ始めているのが高品質なもの。
しかし、これもパクリばかり繰り返してきたせいで基礎技術がないので、日本や欧米製品を超えるクオリティのものは作れない。
まさに痛し痒しといったところ。
その中で自分たちにも作れるはずだということで生産を増やしているのが、ワインとコーヒー。
コーヒーについてはここでは触れませんが、ワインはわりと頑張っている業者もいるらしく、中国のワイナリーにも海外で高く評価されるワインをつくれるところが出てきました。
ただ、内需については今ひとつ。中国酒=老酒というバカの一つ覚えな認識の人がいますが、紹興酒の古酒なんて中国全土に広まるはずがありません。
中国で一般的に多く飲まれているのは、白酒という蒸留酒とあとはビールです。
中国のメーカーは、なんとか国内需要も増やしたいと苦心しています。
そんな中、2012年におもしろい出来事が起きました。あるワインコンテストで行われたオークションで、国外産の高級ワインを20万元(およそ300万円)で落札した人が、そのうちの1本を叩き割り、そして国内ワインの支援を訴えたのです。
現地でどう評されたかは知りません。ただ、このパフォーマンスは中国ワインの内需拡大の一助になったでしょうか?そんなはずはありません。貴重なワインが無駄になり、バカが損をしただけです。
かつてイギリスのトワイニング社は植民地インドで紅茶の販路を広げようと社員をインド各地を淹れ方から飲み方まで実演してまわりました。
最終的にはイギリス人が想定しない「チャイ」という形にはなりましたが、努力が実って紅茶はインド全域に広がったのです。
中国のワイン業界はこういう努力をしているか?していません。だったらいつまでたっても、どんな奇抜なパフォーマンスをしてもこのままでしょう。