ワインを飲んだからって老け顔になったりはしません
いわゆる「疑似科学」の問題はどこにあるかというと、その情報を見た側が自分の頭で考えず、それを鵜呑みにして信じることにあるのです。
例えば「マイナスイオンが健康によい」という有名な疑似科学。一時期は各家電メーカーまでそれを信じて「マイナスイオンを出す家電」が大量に作られました。
で、そういうのに近いものに擬似健康法があります。
あるアメリカの「自然療法」の専門家は、ワインは皮膚を乾燥させ、コラーゲンを破壊して、さらに破壊された皮膚の修復を助ける酵素の働きを阻害するので、ワインを飲んでいると「老け顔」になるといいます。
ここが擬似たる所以で、一見理論だっているようですが、「なぜそうなるか」という根拠がないのですね。
根拠といえるのはこの人物が「いっぱい患者を見てきてそう思った」というだけ。
つまり根拠なしというのと同じです。
もちろん、ワインに限らずアルコールの摂り過ぎは体に悪いに決まっています。しかし、それも程度の問題。
擬似健康法の特徴は、極端なこと。根拠なく言い張るだけというのは宗教と同じであって、医学とは程遠いものです。
ワインは適度に楽しむぐらいなら、それがもとで「老け顔」になることなんてありません。老け顔が心配なら、ワインを断つよりも適切なスキンケアと栄養摂取をすべきですね。