ワインの本場といったらアメリカ?

「ワインの本場」といったらどこかといえば、フランスと答える人は多いでしょう。

そんな人に「ワインの本場といったらアメリカですよ」と言っても、きっと冷笑を浮かべるだけでしょうね。無知な人の思い込みというのはこのように強力なのです。

しかし、現実の世界でワインの本場といったらやはりアメリカです。かつてアメリカとフランスで行われたワイン・テイスティング勝負で、アメリカは連勝しているし、ワイン消費量でも世界一です。

それを認めずワインといえばフランスしかないと思っているのは、フランス人と日本人ぐらいのものです。

で、そのアメリカで今勢力を伸ばしているのがIPOB(In Pursuit of Balance=バランスの探求)というワイン生産者で構成される非営利団体です。

IPOBは、元ソムリエのラジャ・パー氏と、ワイン用ブドウ「ピノ・ノワール」を栽培するワイン生産者のジャスミン・ハーシュ氏によって設立された団体で、カリフォルニア産のピノ・ノワール及びシャルドネを原料としたワインのバランスを追究するという目標を掲げています。

IPOBが目指すワインは、まずアルコール度数を高くしないことが特徴。アルコール度数を高くすると、ワインの味わいに微妙なニュアンスが出ないのだとか。

そして、産地が違うぶどうをブレンドしないこと。これはワインに深みと面白みをもたせるためということで、つまり個性的なワインを作るということなのでしょう。

ただ、この動きに反発するワイン通もいるようですね。彼らに言わせると、IPOBが提唱するワインは熟成が足りず、アルコール度も低くて味気ないそうです。

私はコレ、どっちもどっちだと思うのですよ。ワインというのは嗜好品ですから、一般受けする飲みやすい単純な味のワインがあってもいいし、マニア受けする複雑な味のワインがあってもいい。一方の価値観しか認めないというのは偏狭にすぎます。

しかしまあ、そうした論争が起こるというのも、ワイン文化が深く根付いているからこそかもしれません。

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