完全国産の「日本ワイン」を成り立たせるのはかなり難しそう

ここ近年、和紅茶とか国産烏龍茶といったこれまで日本で作られてこなかった種類のお茶が作られるようになってきました。選択肢が多様になるのはいいのかもしれませんけれど、これは日本茶消費量の落ち込みをなんとかカバーするために各地の製茶業のみなさんが取り組みだした苦肉の策とも言えるもの。

日本人は外国人にクールジャパンとか言われると自尊心が満たされてうっとりしてしまいますけれど、そのわりには自国の文化が嫌いですね。日本茶に限らず、食から年中行事に至るまで盛り上がっているのは外国のものばかりです。

日本酒もまた消費量が激減しています。国税庁が公表している「酒レポート」平成26年3月版によると、平成24年の時点では清酒の消費量は酒類消費量全体の中の6.9%で、これは平成元年の15.7%の半分以下です。それに対して果実酒は着実に微増傾向にあります。

でまあ、そんな状況の中で国が力を入れようとしているのが、国産ブドウで国内生産した「日本ワイン」です。政府は完全国産の「日本ワイン」製造を推奨することで、国内のみならず海外にアピールするためのブランド化をしたいのでしょう。

今日本で販売されているワインの3割は国産とのこと。意外に多い割合ですが、実はその3割の中の8割は、原料自体は輸入の濃縮果実なのです。日本の法律では、原料が輸入品でも日本で製造・パッケージングしたものは「国産」と表記してよいことになっています。

「日本ワイン」のブランド化のためには、こうした状況を覆さなければなりません。しかし、今現在そのためには問題が2つ。

1つはワイン法がないこと。欧州のワイン生産国やアメリカにはワイン法という法律があり、産地や品種、栽培法など様々な規定がされています。ワイン法がない日本では、輸入果実でも日本で醸造すれば国産ワインを名乗れるし、ブドウ以外の果汁を使ったものまでワインと表記しても違法ではありません。

もう一つは国内のブドウ生産農家。そもそもブドウは痩せた土地を好む植物なので、肥沃な土地が多い日本では栽培できるところが限られています。そして、ワイン用ブドウより食用ブドウのほうが収益がいいので農家はワイン用ブドウを作りたがりません。

法律はともかく、日本で生食用からワイン用のブドウ生産に転換するのは難しそう。日本ワインのブランド化って無理ゲーっぽいんですけど・・・。

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