戦闘より飲み食いが大切な国の軍が弱いのは当然かも・・・
第二次世界大戦でのイタリア軍の弱さというのはつとに有名です。イタリア軍が弱かったのは、軍略よりもパスタの茹で加減にこだわりすぎたからだとか、水不足の砂漠戦線でもパスタを茹でずにはいられなかったからだなどというジョークもあるほどで・・・
で、パスタネタと別に、ワインの備蓄が弾薬より多かったなどという話もあります。そりゃ弱いわけだ。
連合国側だとフランス軍もクソ弱かったわけですが、フランス人の食事にはワインは欠かせないと、フランス軍の兵士にはワインが支給されていたそうです。そりゃ弱いわけだ。
フランスの古典小説『三銃士』を読むと、三銃士とダルタニャンはしょっちゅう安ワインでよっぱらっては、ケンカ騒動を起こしています。まあ、痛快ヒーロー小説なので酔っ払っても強いですけど。
日本軍が外地でもとにかく飯盒で米を炊こうとしたのに対し、フランス軍はとにかくワインを飲もうとした。戦争という極限の状態でも、民族的な嗜好や伝統は変えられないようです。というより、むしろ極限の状態ゆえにこそ、血の中に眠る民族性が強く出るのでしょうか?
ところで戦争というと悲惨なことばかり訴えられる日本ですが、もちろん悪いことばかりではなく戦争特需というものもあって、例えば戦後日本の復興は、朝鮮戦争の戦争特需によるところも大きかったと言えるでしょう。
兵士にワインが支給されるようになったのは、第一次世界大戦からだそうです。今までほぼ個人消費で支えられていたワイン関連産業だったわけですが、兵士に支給するために国が買い上げてくれるとなると需要の大きさが違います。この戦争特需でフランスのワイナリーは非常に潤ったとか。
大量生産すると設備が整いますし、技術も向上します。フランス軍はクソ弱く、ナチスからパリを奪還できたのも概ねアメリカ軍のおかげですけど、今に至るまでワインといえばまずフランスが挙がるというのは、戦争特需による設備投資と技術向上があったからなのかもしれません。
まあ、こういう戦争にまつわるプラスの部分を書くとムキーとなって騒ぐ人がいるので、それでも戦争はよくないよーなどと付け足しておきますけど。
ところで、第一次世界大戦から第二次世界大戦までの世界の国を擬人化した『Axis Powers ヘタリア』では、フランスはイタリアと同レベル扱いらしいです。それもわからなくもありません・・・。