赤ワインで頭痛が起きる人は、おつまみにも要注意

赤ワインを飲むと頭痛がするという体質の人がいるようです。体にアルコール分解酵素をもたず、どんなお酒を飲んでもコメカミがズキズキするというタイプの人の場合は、アルコール自体が原因だと思われますが、そうではなく、他のお酒なら平気なのに、赤ワインを飲むと決まって頭痛がするという場合は、赤ワインに含まれる「チラミン」が原因かもしれません。

「チラミン」は「アミン」の一種です。「アミン」は、窒素と水素でできているアンモニアの、水素の部分が炭素に置き換わった化合物です。

人体に入ったチラミンは、交感神経を刺激して「ノルアドレナリン」を放出させます。ノルアドレナリンは、血圧や血糖値を上昇させて人体を活動状態にもっていくホルモンです。問題は、ノルアドレナリンが作用している時点ではなく、その働きが弱まる時です。

ノルアドレナリンによって収縮した血管は、その反動により通常よりも拡張します。その時、側頭部の血管が拡張すると、その周囲の三叉神経などが圧迫されて頭痛が起きます。この反応は、偏頭痛持ちの人にはさらに強く出やすくなります。チラミンの偏頭痛への関与は、2004年に東京都健康安全研究センターが指摘しているところです。

さて、赤ワインのチラミンが原因で頭痛が起こるという場合、さらにまずいことがあります。それは、チラミンが赤ワインだけではなく、チーズやハム、ソーセージなど、赤ワインの肴によく合うものにも含まれているということです。赤ワインを飲みながら、チーズやハムをつまめば、当然体内に入るチラミンの量は倍増します。

ヨーロッパでは赤ワインにチョコレートを合わせることもありますが、実はチョコレートにもチラミンが含まれています。

ゆえに、チラミンが原因で頭痛が起こると思われる人は、赤ワインだけではなくチーズやハム・チーズ、チョコレートなども避けたほうがいいことになります。

ちなみに、赤ワインに多くチラミンが含まれるのは、原料のぶどうの皮に含まれるアミノ酸が、発酵によって変化したためです。特にチラミンに変化するアミノ酸が多いのは赤ぶどうなので、赤ワインのほうがチラミン含有量が多くなります。

赤ワインで頭痛がする人は、白ワインに切り替えてみましょう。しかし、白ワインにも赤ワインの半分程度とはいえチラミンが含まれています。チラミンに対する反応が過敏な人は、白ワインでも頭痛が起こる場合があるので、ワイン自体を諦めるか、頭痛覚悟で飲むしかないですね。

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