最近注目の「自然派ワイン」とは?

近年では「自然派ワイン」についての記事がライフスタイル誌の特集に組まれるなど、自然派のワインに対して注目が集まっています。

なんとなく自然志向な印象を受けるこれらのワインは、一般的に「自然派」「有機栽培」と呼ばれていますが、これらの「自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)」は大きく3種類に分けることができます。

まず第一に、「減農薬ワイン(リュット・レゾネ)」

減農薬農法といって、除草剤や殺虫剤などの使用を必要最小限に抑えてブドウを栽培する農法によって造られたワインです。

次に、「有機ワイン(ヴァン・ビオ)」

有機栽培ブドウ、つまり、農薬や化学肥料をまったく使用していない畑で栽培されたブドウから造られたワインです。

最後に、「ビオディナミワイン」

英語では「バイオダイナミック」と言います。これは、農薬や化学肥料を使用しない有機農法の一つなのですが、その特徴は「自然のままであること」を重要視し、「ブドウ樹の生命力を高める」という手法が挙げられます。

この農法は、オーストリア帝国出身の哲学者、ルドルフ・シュタイナーが提唱したもので、哲学的な農法だとも言われています。例えば、ウマに乗って畑を耕し、肥料には牛の糞を使用、また土の活性化のために水晶の粉をまき、天体の動きを考慮にいれるなど、どことなく神秘的なイメージが漂います。

このように、ひと口に「自然派ワイン」と言っても、こんなに違いがあるので、造り手たちは、自分たちの畑や造りたいワインについてを熟考してそれぞれのスタイルを選んでいます。

日本の女性は特に「天然」や「ビオ(オーガニック)」という言葉に弱く、ついつい「よいもの」と思い込みがちですが、醸造家によっては、「有害物質が多い現代社会においては天然の方がキケンである」と考える人もいます。現代の悪い環境からブドウを守ってあげるためには、ある程度人の手を入れる必要があるという考え方です。

ワイン愛好家の中でも意見は分かれるところで、人為的な要素が少なくてよい、清澄をしない(ノン・フィルター)ワインを良しとする人もいれば、透明感のある美しい色を愉しむのがワインの愉しみである、とする人もおり、様々です。この議論が尽きることはありません。

いずれにしても、なんだか怪しい「自称自然派ワイン」を選ぶより、確かな品質と安心感を求めたいという方のために、次の2つの認定機関をご紹介しましょう。

「エコセール(Ecocert)」

フランスのトゥールーズに拠点をおき、ヨーロッパを中心に有機栽培業者と加工業者の認証を行っている国際有機認定機関。オーガニック認証の世界基準とも言われています。

「ビオロジック(Agriculture Biologique)農法」

1980年、フランスで生まれた農業基本法。合成化学物質の使用や遺伝子組み換え品を使わない、厳しい規定をクリアした農産物や食料品のみに「ABマーク」をつけることができる。ちなみに「ABマーク」は「Agriculture Biologique」の頭文字をとったもので、緑色の地に白抜きされたカワイイABの文字が特徴となっています。

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