毎秋賑わう「ボージョレー・ヌーボ」って、そもそもどんなワインなの?
毎年の楽しみ、11月の第3木曜日と言えば、ボージョレー・ヌーヴォーの解禁日です。本格的にボージョレー・ヌーヴォーが世界に向けて輸出をはじめたのは1968年で、それ以前の1950年代には、フランス第二の都市であるリヨンのカフェに樽売りされる地元消費型のワインだったのです。
ちなみに、現在の解禁日は1985年からはじまったものですが、1967年以前は11月15日が発売解禁日でした。
「ボージョレー・ヌーヴォー」という言葉は日本人にも聞き慣れたものですが、その意味はというと、「ボージョレー」がフランスのブルゴーニュ地方の南から古都リヨンにまで広がるワイン産地区名で、「ヌーヴォー」はフランス語で「新しい」という意味を指します。つまり、「ボージョレー地区の新酒」ということになります。
ボージョレー・ヌーヴォー解禁日が日本でこれだけイベントとして盛り上がりをみせたのは、時差の関係でフランス本国よりも解禁日が早く訪れるということもあって、「初モノ」や「季節モノ」に目がない日本人ならではの光景なのかもしれません。
そのことを裏付けるかのように、輸出データを国別に見ると、日本が1位の座を占めており、世界に出荷される量の4割以上が日本向けとなっています。例年、解禁日に有名な造り手の社長がイベントのためにこぞって来日するのもうなずけますね。
ブームが加熱して解禁日の0時に高価な参加費を払ってボージョレー・ヌーヴォーを楽しむ会に参加した方のなかには「期待してきた割にはいまいち飲み応えがないなぁ・・・」と感じた方も多くいらっしゃるようです。
しかし、このボージョレー・ヌーヴォーというのは、先ほどご紹介した「ボージョレー地区の新酒」という名の通り、その年の9月に収穫されたブドウを11月にワインとして飲むわけです。ここからも分かるように、熟成による飲み応えやコクを求めるのは、楽しみ方の前提として違います。
お料理にしても、ホワイトソーセージなどカジュアルなものと頂くのが定番ですし、グラスもクリスタル製の繊細なものを使用するのではなく水を頂くためのゴブレットタイプのもので頂くことがほとんどです。
ヌーヴォーは、このように気楽に楽しむワインとして覚えておくとよいでしょう。