ワインは巨峰から造ることが出来る?

ブドウを破砕して果汁をしぼり、アルコール発酵させたものをワインと呼びます。そのため、原理的には巨峰からワインを造ることは可能と言えます。ですが、巨峰から造ったワインは長期熟成には向かず、味わいも飲みごたえがあったりコクがあったりはしません。

しかし、そんな中で我が日本のメーカーが生食用のブドウから美味しいワインを造ることに成功しました。それは、大阪で醸造工学を研究し、その成果を分析し、ヨーロッパへと旅立ったのち、なんと13年もの年月をかけて試作にまでこぎつけた渾身の逸品でした。

ブドウは世界中で数多くの種類が栽培されていますが、大きくは「ワイン用のブドウ」と「生食用のブドウ」の2つに分類されます。それぞれの違いは、一般的に次のようになっています。

・ワイン用のブドウ=小粒で果皮が厚い。香り高く凝縮感がある
・生食用のブドウ=粒が大きく、酸味が少ない

ブドウの歴史を見てみると、コーカサス地方のブドウがヨーロッパに渡って、そのことにより自然とヨーロッパ原産のブドウと交配を重ね、現在のワイン用ブドウになったと言われています。それが「ヴィティス・ヴニフェラ」というヨーロッパ系ブドウです。

黒ブドウで言うと、カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール、白ブドウで言うと、シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、が代表的な品種です。

その他、ナイアガラ、コンコード、デラウェアなど、北米を原産とする品種で寒さや病気に強い生食用ブドウである「ヴィティス・ラブルスカ」があります。

「ヴィティス(Vitis)」とは「ブドウ属」の意味ですが、このほかにもヴィティス・リパリアや、ヴィティス・ルペストリスなど、台木や交配に利用されるものもあります。

ちなみに、全世界のブドウ栽培面積の比率はご存知でしょうか?その比率は、

・ワイン用=85%
・生食用=わずか10%
・レーズン用=5%

となっており、世界中でいかにワインが愛されているかがわかるような数字となっています。

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