ワインのコルク栓の始まりはいつ頃だったのでしょう?
かつて上流階級の人たちだけの飲み物だったワイン事情を変えたのがコルク栓でした。ガラス壜の歴史は古く、ギリシヤ・ローマ時代に始まります。その後中世から近世にかけてガラス壜は普及していきました。それでもワインは、樽から移して食卓に運ぶ食卓壜としてしか使われていませんでした。それが、17世紀末頃から壜詰めワインが出回るようになり、追ってワインの栓としてコルクが使われるようになったのです。
コルク栓が普及し始めてから、コルク栓をしたワインを寝かせておくとワインの品質がよくなるということに気がついた人がいました。壜の形も寝かせやすくするために、底が広い寸胴なものから円筒状のものに変化してきました。このようにして、ガラス壜とコルク栓が出会って長期壜熟成の古酒ができるようになったのです。
しかし、ワインを庶民にまで普及させた立役者がもう一つありました。「コルク栓抜き」です。壜のコルクはとても抜きづらいものですが、画期的なコルク栓抜きが18世紀初頭に発明されたために、ワインが一般に広がっていったのです。
コルク栓と壜についてもう一つ。今のワインの壜は壜口の所が一段厚くなり凸状になっています。当初これはシャンパンのコルク栓を抑えて縛る糸をかけるためのものでした。しかしながらこの凸部が壜を丈夫にすることが見出され、現在ではシャンパンのみならず、いずれのワインにも使われるようになりました。