ブルゴーニュは「男性」、ボルドーは「女性」とは?

ブルゴーニュとボルドーを男性と女性に例えると、どちらがどちらだと思いますか?ボルドーの方が、濃厚で、どっしりしているから男性的だと思う人もいませんか?両者を良く飲んでいると次第に分かってくると言います。

まずはブルゴーニュです。グラスの中のワインはキラキラと鮮紅色で華やか。見た目だけでも心躍らされる雰囲気があります。香りは、とても強くて広がりがあり、めまいを覚えるくらいのもの。

口に含むと、目立たない程度のタンニンが酸と相まって、非常に爽やかな辛口です。ボディは引き締まった筋肉質な感じがし、口当たりはスムーズで軽快な喉越し。爽やかな飲み口で、余韻が続きます。

一方ボルドーは、グラスの中で濃紫赤色の芯にルビーが密やかに光を放っている印象です。香りは、内向的でありながら、弱くはありません。グラス内のワインを嗅いでみると非常に複雑なアロマが漂い、色とともにとても魅惑的な雰囲気を持ちます。

口に含むと、柔らかで厚みを感じる程の豊満な液体です。若い時は渋味が強いですが、歳を取ってくるとタンニンが消えてまろやかな旨味が出てきます。複雑で緻密、そして豊潤な味わいです。

口当たりのスムースさは、ブルゴーニュがサテンのような軽快さだとすると、ボルドーはビロードのような少ししっとりした感じすらするものです。

飲んでいるとブルゴーニュでは、陽気で華やかな気分になり、ボルドーではゆったりと心が落ち着いてきます。大勢で楽しく飲む時にはブルゴーニュが、少人数でゆったりと飲む時にはボルドーが向いているとも言えます。

これらのことから、どちらが男性的、女性的かおわかりになったのではないでしょうか。ブルゴーニュの方が筋肉質で明快かつ爽やかな青年を思わせます。一方、ボルドーは複雑で魅惑的、そして豊満な美女を思わせるワインです。

ワインのタンニンに不慣れな方は、ブルゴーニュからの方が入門しやすいのではないでしょうか。次第にボルドーの良さをじっくり味わえるようになっていくでしょう。

余談ですが、ブルゴーニュはデカンタージュの必要がありませんが、ボルドーは必須です。グラスは、ブルゴーニュは大振り広口型に少量注ぐのが良いでしょう。ボルドーはチューリップ型の深いグラスにたっぷり注いで楽しみましょう。

最後に有名な挿話を一つ。ある家臣が王様に、「ブルゴーニュとボルドーとどちらがお好きですか?」と尋ねたら、王様は微笑みながら「ブロンド(金髪)とブルーネット(褐色の髪色)の女性のどちらが良いかね」と答えられたそうです。

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