コルクを通してワインは呼吸をしている?
ワインは壜に充填された後も熟成が進むことはよく知られています。この壜熟成は、コルクが空気を通すことで中のワインが呼吸をしている酸化現象だと言われていました。
しかし、封蝋やキャップシールなどで完全に密封したワインも市場には存在し、それらは呼吸できないので熟成が進まないということになります。それでも、コルクとワインの間の僅かな隙間から微量な空気で呼吸できるという説を唱える人もいます。(しかし、ロマネ・コンティなどは口元を真空にして栓をしているし、窒素ガスを注入する製造元もあります。)
オリを除くために別の樽に移しているときにたくさん酸素を巻き込んでいるから、それで十分だという説明もあります。マット・クレイマー氏によれば、酸化ではなく酸化還元作用(レドックス作用)だと言っています。
ワインがコルクを通して呼吸しているかどうかは、色々な議論がされていますが、コルクが重要であることは疑いの余地はありません。コルクの質が悪かったり痛んだりすると壜の中に空気が入って、ワインが台無しになったりします。日本にはあまりいませんが、コルク蛾という虫がいて、その幼虫がコルクをボロボロにすることがあります。
古いワインを買うときは、コルクの状態やワインの目減り(アリッジ)をきちんとチェックする必要があります。あるオークションではコルクを見やすくするためにキャップシールを半分切ってくれているので、良く見ておきましょう。