ヴァラエタルワインってなに?

初期の頃のカリフォルニアワインのラベル表示は、全くデタラメでした。フランスなどの名酒に便乗して、適当に辛口の白ワインにはシャブリとか、甘口の白ワインにはソータン(ソーテルヌのスペルミス)と表示していながら、ワイン自身は本物からかけ離れた代物でした。

この状況に危機感を抱いた人が2人、制度改革に乗り出しました。ワインのバイブルと評された『フランス・ワイン』の著者、アレクシス・リシーヌと、こちらも著名な『エンサイクロペディア・ワイン』を書いたフランク・スクーンメーカーです。

アメリカのワインの品質維持のために採用したのが「品種名表示制度」(Varietal System ヴァラエタル・システム)でした。ワインの特徴を表すためにワインを造るのに使った複数のブドウのうち、最も多く配合された品種をラベルに表示する方法です。この制度により、カリフォルニアのワインの品質は大きく向上することになりました。

その反面、不都合な現象も起きてきました。ブルゴーニュのシャルドネ種とボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン種は上質なブドウで、生産量も少ないものですが、カルフォルニアでこれらのブドウを使ったワインが上出来で高評価を得ました。そこで、このブドウを使ったワインと言うだけで高名を得られ、高く売ることができてしまうのでした。

ところで、ブドウの品種はワインの地名より数が限られていて分かりやすいこともあり、近年、特にワイン途上国で、ヴァラエタル・ワイン(品種名表示)が流行っています。元々秀逸な個性を持つ原産種があるというのに、世界的に有名な品種を使って売り出す所が出てきてしまっているのは残念なことです。

しかしながら、地名よりブドウの品種を手掛かりにする方が、特に初心者にとっては分かりやすく、覚えやすいことも確かです。

例えば、シャルドネを使った辛口の白ワインと言えば、ブルゴーニュの独壇場でした。しかし、世界各国のワイン生産地でシャルドネを作り始めました。日本のシャルドネ・ワインもなかなか良くなってきています。オーストラリアやアメリカなどで造ったシャルドネ・ワインはそれぞれフランスのそれとは全く違うテイストになっています。でも、何か通ずるものが感じられるのも確かです。

このようにヴァラエタルワインはワインを見分ける鍵となります。地理的にではなく、「ブドウの品種」からアプローチするのも悪くないでしょう。

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