おいしいワイン造りに適した土壌とは?
「ワイン造りに適した土壌」とは、ブドウ栽培そのものに適した土壌の事で、水はけのよい痩せた土地である事が条件だと言われています。まず、土壌が肥沃でなくとも、ミネラル分に富んでいることがブドウの健全な生育には必要です。
水はけのよい土地ならば、ブドウの木は水分を求めて地中により深く根を張り、多くの養分やミネラルをともに取り入れてくれます。
また、痩せた土地では、ブドウの木は自身の生育を最小限にとどめ、種の保存に向けた準備をはじめます。つまり、良い実をつけるために、エネルギーを集中させるのです。
これらがブドウ造りに適した土壌の第一条件ですが、さらに細かい土壌の種類によっても、それぞれに適したブドウ品種が変わります。
土壌の種類には、砂利質、粘土質、砂質などがありますが、品種と相性の良い土地を選ぶことで、より品種の個性が発揮されやすいのです。砂利質は、細かい石が太陽光を反射するため、ブドウの木が日照効果をより多く得られるという特性があります。
そのため、熟しにくいカベルネ・ソーヴィニョンが熟しやすくなる土壌とされています。
粘土質は、保水力があるため、日照りに弱いメルローの栽培に向いた土壌とされています。
このように、土壌のわずかな違いがワインの品質の違いを生み、それゆえ各々の銘柄には、産地の特徴が現れるのです。
しかし、土壌中の個別の成分が、ブドウの成分に影響を与えて、そのままワインの風味を変えることはない、と現代では考えられています。
現代では、ワインの栽培に適した土壌の成分は、石灰質などのカルシウムを多く含む土壌だと言われています。これは、石灰質に酸性土壌を中和する役割があるためで、ブドウの木に限らず、多くの農作物が酸性土壌に弱いため、昔から石灰質の土壌は農作に適しているとされているのです。
ワインの造り手も、昔からそうした土地を好んで利用してきたものと思われます。
とくにヨーロッパで高品質のワインが造られているのも、こういった石灰質の土地なのです。