外側から見る場合、ワインの色以外に注意するところはありますか?
色以外でしたら、ワインの粘着性に着目しましょう。辛口ワインの場合は原則、比重がアルコール度数で異なりますから、ワインの粘着性の度合いも異なるのが当然です。
早い話が、アルコール度数が上がるにつれて、比重が軽くなり、ワインの表面は凹レンズのような見た目になって粘着性も強くなります。このため粘着性からそのワインのアルコール度数が判断できます。
涼しい地方で製造されたワインは、一般的に粘着性がなく、アルコール度数は低いのですが、その地域であれば、当たり年のワインは、粘着性が強く、アルコールにボリューム感があふれています。
ですから、同じ地域で製造されたものであっても、粘着性が強いものはそれだけ高価になることがあります。ただし補糖してアルコール度を高めるという方法を涼しい地方では用いる場合がありますから、そういう場合、ボリューム感は糖分添加によるものですので、注意が必要です。
「涙」や「脚」という表現が、ワインの粘着性を見る場合に使われる時があります。これはワイングラスの縁を伝って落ちる滴の状態を表現したものです。それ以外にも、表面張力の厚みを「ディスク」と表現します。ただし、アルコール度数が高いからといって、それが上質のワインと一概に言える訳ではありません。