ワインの造り手「ネゴシアン」と「グローワー」
ワインというものは人が造るものです。気候に左右される天然のフドウを使うので、造り手の知恵と経験がものをいう世界です。
しかし造り手といっても様々です。昔ながらのやり方でおじいさんが小さな小屋でワインの樽をいくつか造っている場合もあるし、ハイテク機器を駆してコンピュータ管理された、工場生産のようなワインの造り方もあるでしょう。
ここで、農家と大手メーカーの関係について述べてみたいと思います。
フランスの2大産地であるボルドーとブルゴーニュでは1900年代初頭、第一次世界大戦ごろまでは大手メーカーが強い力を持っていました。農家はブドウを栽培し、新酒の樽を大手メーカーに売っていたのです。瓶詰めの簡略化のためと流通ルートを持たないために自分ですべてを行うことは難しかったのです。
ここでの大手メーカーに当てはまるのが「ネゴシアン」とよばれる人々です。商業や取引を意味する「ネゴース」から生まれました。ネゴシアンは買い取った新酒の樽をブレンドしてワインとして国内外の市場に売るのです。製品として完成させてから売るというところがブローカーとの違いです。
これに対してブドウを栽培するだけでなく、ワイン作りまで一貫して行う「グローワー」と呼ばれる生産業者もいます。
このようにワインの造り手といっても様々であるので、ワインの味にはピンからキリまで他の農業生産分野にはみられない、メーカーの差が出てきてしまうのでしょう。