ワインの基礎知識!有名なワインの産地はどこ?
「ブルゴーニュ」のコート・ドールがフランスの名酒の故郷です。そこには、ソーヌ河が大昔に後退したように見える川岸が残り、斜面になってずっと長く南北に伸びている斜面があります。
この東向きの斜面の真ん中辺りが極上ワインを生む秘訣になっています。また、この斜面の真ん中が一番よく、斜面の上の方も下の方も良くありません。さらにこの丘の裾から川までずっと広がる平野は駄酒しか出来ません。畔ひとつ違うだけで、ワインの良し悪しが決まるのです。この原因は底土の土質構成に違いがあるためです。
また、この斜面は全体として東向きになっていますが、現地へ行ってみると目の前は東向きに大きく広がっていても、畑が緩やかに東南向きになっていることがわかります。
そのため、朝一番に朝日を浴び、夕日が沈むギリギリまで西日を浴びることになります。つまり、光を浴びる時間が一番長くなっています。そして、朝日が早くから差すことにより、早く畑が温まることになりますので、これは寒い地方ではブドウ栽培に大きく影響します。このように畑の位置の微妙な違いも、ブドウとワインに影響するのです。
ボルドーの極上酒の生まれる所は、メドックですが、ここではジロンド河の河岸のすぐそばに畑がずっと続いています。そして、ところどころに小高くなったところがあり、そこは必ず砂利が多く、この砂利は下流に行くほど小粒になります。
メドックでは、砂利が水はけとの関係で名酒を造る決定的条件になります。ここでも、メドックの上流のグラーヴ地区は砂利が多く、優れた名シャトーがいくつかあるものの、一般的にはメドックを越せず、下流のほうでは砂利が少なくワインはどうしてもメドックより劣ってしまいます。このように、砂利の条件によってもワインの良し悪しに影響が出てくるのです。
このように、極上のワインを生む畑は、世界のワイン生産地の中でもごく限られた特殊な条件が備わったところということになります。