値段が高ければ高いほど、おいしいワインなの?
日本の結婚式の披露宴では、フランス料理がよく出されます。
シャンデリアが輝く広間に、真っ白いテーブルクロスをかけた円卓が連なり、飾り皿を中心に、銀色のナイフ・フォークが左右に並ぶ・・・、こういうスタイルの宴会が、一般化している国は、世界的に見ても、そうはありません。
試しに、フランスの高級料理店へ行ってみればわかります。
最近なら、日本のレストランでもいいかもしれません。
一つの皿には、一組のナイフ・フォークしか出てきません。
なぜこんなことを書くのかというと、日本では、フランス料理に使う皿やナイフ・フォークの並べ方だけでなく、ワインの飲み方についてもおかしな「輸入」をしていることを指摘したかったから。
日本では一般に、ワインは「高い」もの、つまり高くないとまずい、高ければおいしいだろうと信じ込まれています。
また、ワインは「古く」ないと駄目だ、と思い込んでいる人も大勢。
これもおかしな話。
ワインはもともと若くて、安いものを飲むのが主流・本筋です。
確かに高くて古い、古いから高いワインというものが存在しますし、それはそれなりに存在価値があるもの。ですが、それはあくまでも例外。
つまりワインは「高く」なければならない、「古い」ものでなければならないという思い込みは、本末転倒している発想と言わざるを得ません。