果実酒はいろいろあります。ブドウで造ったものだけが、ワインなの?
世界中に多くの果実酒がありますが、ワインはブドウで造ったお酒、つまり「生葡萄ノ果汁ヲ発酵サセテ醸造シタアルコール飲料」です。
ブドウで造ったお酒だけをワインと呼ぶわけですが、ところが、厳密にはこの定義はなかなか難しいのが実情。
たとえば先ほどの定義の中に「生葡萄」とありますが、これを定義であると決めつけてしまうと、最近は「干しブドウ」を水で戻してから、醸造することがあるのです。
そうした製法で作ったワインは、この定義によると、ワインではないことになってしまいます。
ワインを輸出する国の現地で「ブドウの濃縮果汁」を作って、それを日本へ運んできて、改めて人工培養酵母を加えて発酵させて、ワインをつくることもあります。
これは、日本のワインメーカーの技術が優秀だからこそ、できる製法だそうで・・・。
当初は、良いワインを安く造ることを目指して開発された製法だったそうですが(果汁の輸入は酒税がかからないので)、実際にやってみると、輸出国の醸造技術が未熟だった場合、日本で醸造したほうが、品質が優れた安定したワインができあがるそう。
最近はワインに関する科学的な研究がたいへん進んでいますし、それを応用した新しい製法も生まれているようです。