ブドウがワインになる瞬間って、いつですか?

醸造=発酵です。

発酵の主役は、酵母菌です。酵母菌の働きによって、ブドウの糖分がアルコールと炭酸ガスに分解します。このことを「発酵」というのですが、この発酵の段階で、ブドウ果汁からワインへの変化が起きます。

酵母菌については、今では科学的な研究が進んでいます。

酵母菌の種類や生態、発酵機能を営むメカニズムについては、かなりわかってきましたし、そのメカニズムをコントロールすることも出来るようになってきました。

酵母菌自体も純粋培養のものが出来ていますし、そういう点で、大手メーカーや、量産タイプの醸造所では、最新の科学研究の成果を大いに取り入れているといえます。

といっても、科学の出来る範囲は、失敗作を防ぎ、一般的にレベルの上がったワインを造るというところまでです。極上ワインを造るには、発酵過程でその土地とブドウに合ったその年ごとの細心の管理が要求されます。

「発酵期間の長さ・温度・浸漬」の違いによって、さまざまなヴァリエーションのワインが生まれます。大きく分けると「高温・短期」と「低温・長期」の発酵です。

フレッシュ・アンド・フルーティを魅力とするワインは、だいたいが短期仕込み、逆に、長期熟成タイプで、熟成香の芳醇さを楽しむワインを造りたいなら、長期仕込みということになります。

同じ土地の名酒でも、色の濃い薄いに違いがあったり、渋さと寿命に違いが出てくるのは、主にこうした仕込み法の違いからです。

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