ワインに詳しくなるために、まず最初に知っておくべきことは?
ワインの世界の入り口は、「土地」と「ブドウの品種」。
ワインには一つとして他のワインと同じものがありません。その主な原因はこの二つなのです。
ヨーロッパの伝統的ワインでは「土地」がワイン識別のキーワードになっていました。この伝統を法制化したのが、いわゆる「AC制度」、アペラシオン・コントローレ(原産地名呼称管理制度)です。
それに対して、そうした伝統のないアメリカは「ヴァラエタル・システム」(品種表示制度)を生み出しました。
後者のほうがわかりやすいので、今では世界中のワイン産地が使っています。
ワインにとって、ブドウが生まれた土地は決定的要因となるのです。
お米や麦は、遠隔地から運んできて、日本酒やビールに出来ますが、ブドウは育った場所でワインにしなければなりません。
ブドウが育った土壌の質と、その土壌をとりまいている環境・・・、緯度、日照、気象条件・・・、いろいろなことがワインの出来に影響します。
また、お米や麦は、同じ品種であれば、違う土地で育てても、成分に多少違いがでるものの、決定的な違いは出ません。
ところが、ブドウの場合、同じ品種のものでも、違う地方で育てるとその実の構成成分自体が、かなり違ったものになってしまいます。
地方によるどころか、同じ村の中でも、道一本をはさんで畑が違うというだけで、差が出るくらいなのです。