ディジェスティフ(食後酒)は食事の余韻のために
食後酒は「ディジェスティフ」とも言われ、消化という意味です。胃腸を整える時間を与え、食後の余韻を楽しむお酒です。食後ですからデザート感覚で飲めるお酒や、食前酒ではあまり飲まないような高い度数の香り高いお酒が好まれます。
ワイン以外なら、コニャックやアルマニャック、フルーツブランデーなどがあります。フランス人は食後にコーヒー、チョコレート、葉巻、ブランデーを楽しむそうです。
食後酒に相応しいワインには例えば「フォーティファイド・ワイン」があります。食事中に出される「テーブル・ワイン」とは別にカテゴリーされています。
「フォーティファイド・ワイン」は酒精強化ワインです。ワインにアルコール添加するのではなく、発酵中の天然果汁にワインから取ったブランデーを添加するのが原則です。
添加が醸造中のため、「フォーティファイド・ワイン」はワインのカテゴリーに入ってます。ちなみに発酵後のワインに薬草を混ぜたベルガモットは、ワインベースでもワインではなくリキュールになります。
「フォーティファイド・ワイン」の誕生には様々な経緯があります。例えば飲み手側では一風変わったワインが飲みたい。作り手側からは食前酒や食後酒の需要、付加価値のついたワインを造りたい。両者のニーズが合致して、試行錯誤の末に誕生しました。
食後のワインには甘口の貴腐ワインやポート・ワイン、マデイラ・ワインが代表です。ポート・ワイン、マデイラ・ワイン、シェリーは世界3大酒精強化ワインと言われています。
貴腐ワインは白ワイン用のブドウにある種のカビを感染させ、糖度が高まることで芳香が高まったワインです。フルーティな芳香と蜂蜜のような風味、琥珀色の優しいワインでデザート・ワインとして飲まれることが多いようです。代表的なものではフランスのソーテルヌやハンガリーのトカイが有名です。