体調管理にホットワインはいかが?

日本では風邪をひいたときの飲み物として昔から「卵酒」が親しまれています。ちょっと甘くしてタマゴの風味が加わった温かいお酒は、とっても体が温まりますね。欧米でこの卵酒的な存在がホットワインです。といっても、日本とは違って風邪のときに限らず寒い時期のホットドリンクとして飲まれていて、海外の映画やドラマでもたまに目にすることがあります。

もっとも、「ホットワイン」というのは和製英語。ドイツではグリューヴァイン、フランスではヴァンショーと呼ばれているそうです。

作り方は主に赤ワインに乾燥させたオレンジの皮=オレンジピールや、香りを加えるスパイスを加えて温め、砂糖や蜂蜜で甘くします。ホットワインは、体が温まるだけではなくある程度(あくまで「ある程度」ですが)の健康増進の効果も望めるでしょう。

ポリフェノールの効果

赤ワインは、日本で「ポリフェノール」が取り上げられ、広く知られるきっかけとなった飲み物です。肉食を好み、喫煙や飲酒率が高いフランス人が、それに反して心臓病にかかる確率が低いのは、赤ワインに含まれるポリフェノールのおかげではないかという説が出て、騒がれるようになりました。

もっともその後は様々な食材に様々なポリフェノールが含まれることが分かってきたので、赤ワインが以前のように騒がれることはなくなりましたが・・・。

赤ワインに含まれるポリフェノールは「レスベラトロール」といいます。レスベラトロールは他のポリフェノールでもよく言われるような抗酸化作用に加え、血糖値を下げたり認知症を予防するといった効果も期待されています。

レスベラトロールに様々な効果が期待されるとはいっても、やはり赤ワインがアルコールであることには変わりがないので、飲み過ぎは禁物。しかし、ホットワインにすれば温める過程である程度アルコールが飛ぶので、そのままの赤ワインを飲むよりも体にはいいでしょう。

体に合わせたスパイス選び

ホットワインには、シナモン、クローブ、カルダモンといった香りのスパイスが選ばれます。スパイスの一部は漢方生薬でもあり、体調に合わせて加えるスパイスを変えれば体調管理にもなるかも?

陳皮:乾燥させたみかんの皮を数年熟成させたものです。体を温め、吐き気や咳を鎮める効果があります。冬に食べたみかんの皮を干して自作できます。オレンジピールに同じ効果があるかは不明です。

クローブ(丁字):体を温め、胃腸の働きをよくして食欲を増進します。

シナモン(桂皮):体を強く温め、発汗作用を持ちます。

フェンネル(茴香):胃腸を整え、水分代謝をよくします。

スターアニス(八角):全身の血行をよくして体を温め、冷えからくる腰痛や肩こりをやわらげます。

カルダモン:吐き気を止め、消化をよくします。カルダモンには殻が緑色のものと黒いものがあって、緑のものは体を冷やし、黒のものは体を温めます。スパイスショップで粉になって売られているのはグリーンカルダモンが多いようです。

ホットワインは、ちょっと余って時間が経ったものや、安い赤ワインでもおいしく作れます。冬の寒い時期に限らず、オフィスで冷房にさらされて体が冷えてしまう夏にもおススメ。ただし、アルコールがある程度飛ぶとはいっても完全になくなっているわけではないので飲み過ぎには注意してくださいね。

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