赤ワインの色はどれだけ色々?

赤ワインの色を呈するのは、ブドウの果皮の細胞に含まれるアントシアン系色素の影響です。マルビジン、デルフィニジン、エニジンという色素です。果皮が搾られて、果皮細胞が死んで壊れると色素が出てきます。黒や赤ブドウを収穫してからすぐ絞り、果汁だけをすぐに抜いてしまえば、黒や赤ブドウからでも白ワインが造れます。

赤色の濃さは、ブドウの果皮の色の濃さに左右されます。基本的に寒い地方の赤ワインは色が薄く、南の地方の赤ワインは濃いものができます。同じガメ種のブドウを使っても、気温の低いロワール地方のアンスニー辺りのものは紫が薄い鮮やかな赤ですが、夏が暑いボジョレ地方では紫がかった赤となります。

ブドウの色の濃淡だけでなく、果皮の果汁に漬けておく時間の長さでもワインの濃淡は変わります。果皮浸漬(マセラシオン)を短くやめればロゼが造れます。色づきを良くするためには、果皮との接触(スキン・コンタクト)を長くすればいいのですが、果皮の中にはタンニンをはじめ、色々な成分が含まれているので、そう単純にはいきません。

ベリー・アリカント種のようなブドウは非常に濃い色のワインができるので、これで色をつける方法もあります。

赤ワインは若い時には、紫色を強く帯びた赤で、歳をとると紫色が失せ、古くなると褐色を帯びてくるのが一般的です。ワインに少し親しんでくると、グラスのワインの色を見て、紫と褐色の入り方で、だいたいどれくらい経ったものか分かるようになると言います。

ちなみに、蛍光灯はワインの色を茶色く見せるので、ワインにこだわるレストランで蛍光灯を使うのはNGです。

宝石のように鮮やかな赤ワインと言えば、やはりブルゴーニュの上級品です。ロウソクの炎にかざすと、炎が揺らめくように鮮紅色がきらめきます。このような色の美しさを、王様などがまとう豪華な真紅の長衣(ローブ)に例えてローブと形容します。

ボルドーはブルゴーニュに対して濃紫赤色です。深い赤の奥にルビーやガーネットが鎮座しているような輝きがあります。時が経つと紫色が失せて、ブルゴーニュの鮮紅色とは対照的な落ち着いたルビーのような濃赤色に輝きます。

名前の面白いワインに「黒いワイン(ヴァン・ド・ノワール)」と言うものがあります。本当には黒くなくて、非常に濃い赤ワインです。フランス中央部カオールで造られます。その昔、ボルドーワインの色づけに使われたりしました。

もう一つ変わった名前で「雄牛の血(エグリ・ビカヴェール)」というハンガリーのブダペスト北東エゲル地方のワインがあります。これもその色の濃さに由来してつけたものでしょう。

最後に、色ではありませんが「てり」という外観についてお話しします。「てり」とは、水のように平滑ではなく、光を集めて内部から輝く宝石のような状態を言います。秀逸なワインは、「てり」があるので、グラスの中で輝きを放つのです。

さらに、「てり」にも関わりますが「ワインの涙」という描写もあります。ワインの入ったグラスをゆすった後でグラスを眺めると、グラスの内壁につららのように長く伸びたワインの雫が見えます。これを涙に例え、上質なワインは多くの美しい涙を流します。涙はワイン中のグリセリンが関係し、「てり」のあるワインは「涙」も美しく、滑らかな口当たりとなります。

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