ワインをおいしくするデキャンタージュってなに?

まだまだ熟成をしている途中の若い赤ワインは、味わいが少しかたいことがあります。

そういうワインは、香りもまた充分に出ていません。こういう状態をワインが「閉じている」という風にいいます。

そこで、こういったワインから隠れたおいしさを引き出すために、飲む直前に一度『デキャンタージュ』を行うことがあります。

デキャンタージュとは、ワインをボトルから別の容器(デキャンタ)に移すことによって、ボトルの底に沈んだ澱を取り除き、ワインを素早く空気に触れさせ、急速に酸化させることを言います。

こうする事によって、香りや味わいをぎゅっと引き出すことができます。

本来ならば、ボトル入りのワインは長い熟成の間に、コルクを通じて少しずつ酸化され、徐々に香りや味わいが開いてゆくものです。

また、充分に熟成し、香りも味わいもよく開いている状態のワインには、デキャンタージュの必要がありません。

ちょうどよい具合に酸化されているため、それ以上酸化すると、せっかくの風味が飛んでしまうこともあるので注意が必要です。

デキャンタージュは、ワインを一瞬で目覚ませる行為なので、厳密に言うとゆっくり熟成させた物とは異なった香りや味わいになります。

しかし、何十年もの熟成を待てない場合。もしくは、抜栓したボトルが予想した以上に若かった場合には、デキャンタージュはおいしくワインを味わうための最善の方法となります。

また、食事とともにワインを楽しむときに、熟成がある程度すすんだ赤ワインなら、デキャンタージュせずに、ワインが刻一刻と変化していくのをゆっくり味わうこともできます。

デキャンタージュがよく行われるのは赤ワインで、白ワインや、スパークリングワインは、基本的にデキャンタージュは行いません。

しかし、白ワインのよさと言えば、やはり香りですので、本来の香りが充分に発揮されていないときなどに、希に行われることもあります。

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