色で見分ける、赤ワインの基本の香り
テイスティングでワインの香りを表現するには、普段から色々なものの香りを意識して、経験を積む必要があります。
しかし、もっと簡単に香りを判別するコツがあります。
赤ワインは、赤や黒、茶色や紫色をしたものの香りを持っていて、プロのテイスティングでもよくこれらの表現が使われています。
たとえば、赤いもので言えば、果皮の赤い果実のイチゴ、ラズベリー、ザクロ。
黒いもので言えば、果皮の黒い果実のブラックベリー、カシス、プルーンなどの香りが代表的です。
また、赤ワインには果実以外にも、黒コショウ、ローストしたナッツ、コーヒー豆、トリュフ、チョコレートなどの、豊富な種類の香りがあります。
これらの正体は、樽熟成しているワインに移る樽香です。葉巻の煙の香りや、革製品、乾燥したキノコや干し草の香りなどは、熟成が進んだワインほど、だんだんと現れるようになる特別な香りです。
熟成が進むと、それと同時に、果実の香りもみずみずしいものから、次第にドライフルーツのような薄いものに変化してゆきます。
そのため、場合によっては樽香が果実の香りを覆い隠すほど強くでることもあり、熟成したワインの持ち味ともなっています。
反対に、未熟なワインの香りをかぐと、ピーマンや茎のような、青物の香りが感じられる事もあります。
このようにして、赤ワインは香りから熟成度合いを判別することができるのです。