赤ワインって渋いから苦手・・・どうしてあんなに渋いの?

「白ワインは好きだけど赤ワインは渋くて苦いからちょっと苦手…」という声をよく耳にします。赤ワインは、果汁や果皮・種の成分や熟成させる樽の成分を吸収するため、何千種類もの物質が含まれており、味わいがとても複雑です。

しかし、安いワインでも高級ワインでも、日本のワインでもフランスのワインでも、赤ワインには共通する「赤ワインらしさ」というものがあります。その赤ワインらしさを表す筆頭に立っているのは、やはりタンニン(渋味)なのです。

これは日本の渋柿のような渋味ではなく、またタンニンという表現もあいまいな部分があるのですが、ここでは伝統的なワインの世界で使われている意味で、タンニンという言葉を使っています。

さて人間が感じる五味、甘味・辛味・苦味・酸味・鹹味(塩辛さ)の中で、ワインを飲むときに感じるものは甘味と酸味と苦味(渋味)です。

その中でも白ワインは酸味と甘味を主に感じます。赤ワインにもブルゴーニュ・ワインのように酸味が表面に出てくるものもありますが、多くはボルドー・ワンのように、酸味よりも渋味が際立ちます。ブドウの成分や多くのミネラルによる複雑な味わいが、我々には渋味という形で感じられるのです。

日本酒も世界に通用する素晴らしいお酒ですが、日本酒造りは伝統的にキレや旨味などを追及し、酸味は重要視してきませんでした。それに比べるとやはりワインの方が、味わいの豊富さや味覚の幅広さ、与える印象の深さの点では圧倒的に上回っていると言えます。

世界中に数えきれないほどある複雑で奥の深い赤ワインを、どう分析して分類していくか考えたときに、どうしても一番の赤ワインらしさである「渋味」をテーマにして系統立てていかざるを得ないのです。

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