回転寿司が回転をやめてワインに注力している!?
一時期回転寿司業界は、かつてファストフード業界が繰り広げたような「低価格化チキンレース」をしていました。
そうしたチキンレースに勝ち残ってきたのは、かっぱ寿司、スシロー、無添くら寿司、はま寿司など一皿100円(税抜き)の大規模チェーン店。
ただ、それ以上のチキンレースは共倒れになると悟ってか、かっぱ寿司が平日昼に1皿90円という限定的な値下げをする以外はそのラインから値段を下げるということはなくなりました。
そのかわり、各回転寿司チェーンは様々な工夫をしていくようになります。例えばメニューの多様化。はま寿司がまるごと一個のココナッツの実をメニューに加えて話題になったのは記憶に新しいです。
くら寿司は、ラーメン、カレー、うな丼、さらにはコーヒーまでメニューに加え、全方位的にケンカを売る体制になっているので、むしろ袋叩きにあえと思います。
そんな中、回転をやめるという「自己否定」的な方向性をとり出したのが、かっぱ寿司とスシローです。
まず、かっぱ寿司は「鮨ノ場(すしのば)」という別ブランドを立ち上げました。これは、完全注文制で、注文を受けてからそれをレーンで届けるという方式。要するに、かっぱ寿司の注文メニュー専門新幹線レーンのみの店と言ってもいいでしょう。
もう一方のスシローも「スシダイニング ツマミグイ」というブランドを立ち上げています。
これは完全に回転寿司のスタイルを捨てた店舗形態で、かといっていわゆる「回らない寿司屋」のようなカウンター形式でもなく、ちょっとオサレ感がある寿司コースなどがあります。
鮨ノ場、ツマミグイどちらも共通しているのは、都市部に展開しているということ。
まあ確かに、田舎の街道沿いにこういうスタイルの店を出しても受けないでしょう。田舎は駐車場が広くて収容数が多い店なら、味がまずくても家族連れが入るのです。
もう一つ共通しているのはワインに力を入れていること。特にツマミグイは、おすしに合うワインにこだわっているとのことで、ニュージーランドのシレーニのワインなどを扱っているようです。
要するに、昔アメリカではやったスシバーってやつの焼き直しですね。以前もアメリカのパクリで日本でもスシバーが流行ったことがありましたが、長続きしませんでした。
そもそもなんで寿司食うときにわざわざワインを飲もうとするのかわかりません。寿司に一番合う飲み物は、渋い日本茶です。ワイン飲みたいなら肉食え肉。
まあ、味よりオサレ感のほうが重視される時代だから、意外とはやるかもしれませんね。