青森県に国内最大規模のスパークリングワイン工場が完成
シャンパンに代表されるスパークリングワインは、要するにワインの中に炭酸ガスがたくさん混ざっており、炭酸飲料のようにシュワシュワするワイン。
スパークリングワインの生産技術を開発したのは、フランスの修道士で今でもシャンパンの銘柄として名が残るドン・ペリニヨンさんだと言われています。
ただ、スパークリングワイン自体は彼が技術を開発する前から作られていた、というよりはできていました。
というのも、スパークリングワインの泡は、瓶詰めしたワインが、瓶の中でさらに発酵することで勝手にできるものだから。瓶の中での発酵をうながすために、ワインに砂糖などを添加して瓶詰めするワイナリーもあったとか。
実は、ドン・ペリニヨンさんはこの偶然の産物であるスパークリングワインができないようにする研究をしていたそう。ところが、同時期に主に貴族の間でスパークリングワインに人気が出てきました。
そこで、偶然に頼らず確実に瓶内で再発酵を起こし、炭酸ガスを含むワインを作る方法が研究され、現在のシャンパンの原型が作られたのでした。
現在、スパークリングワインの作り方には大きく分けて二種類あります。一つは再発酵によって自然に炭酸ガスを含ませる方法。もう一つは、炭酸飲料と同様炭酸ガスを後から添加する方法です。
青森県のむつ市に、青森県産ぶどうで「下北ワイン」を製造している「サンマモルワイナリー」のスパークリングワイン工場が作られました。
これは、年間最大10万本のスパークリングワインを作れるという国内最大規模のもの。この工場で作られるスパークリングワインは、伝統的な瓶内で二次発酵をさせる作り方を採用。
国税庁の統計によれば、国内製造ワイン、つまり輸入濃縮果汁を原料とした日本でしかワインと呼ばれない酒類を含めた果実酒の中で、スパークリングワインの製造量は全体の4.1%、そして、国産ぶどうのみを原料とし、国内で醸造された「日本ワイン」の中でも、スパークリングワインの割合は4.7%に過ぎません。
おそらく国内でもスパークリングワインの需要は一定量あるはずですから、青森県の工場が本格稼働すれば、日本産スパークリングワインの製造量を押し上げることにつながるかもしれないですね。