シャトー・メルシャンが香港に日本ワインの輸出を開始

「上に政策あれば下に対策あり」とは、有史以来幾度も国自体が変わり、その度に法律も制度もなにもかもがらっと変わってしまう中国にあり、庶民が身につけたいわば生活の知恵。

それが現代のルールを守ろうとしない中国人を作り上げました。

一方日本は中国人よりは遵法精神はあるけれど、逆にルールにないことはやりたい放題するという国民性。

ワインについてもそうでした。海外から輸入した濃縮果汁を原料にして国内でつくったワインを「国産ワイン」などと言って堂々と売っている国は、少なくとも先進国の中では日本だけ。

その割合はなんと「国産ワイン」の9割近くでした。いわば「上に政策ないので下はやり放題」です。

国税庁が、国内で生産されたぶどうのみを原料とし、国内で醸造されたワインのみを「日本ワイン」とするというルールを策定したのは2015年のこと。施行されるのは2018年。

しかし、日本国内にもごく少数、このルールが策定される以前から、国産ぶどうのみを使って真面目に本物のワインを作って来た人たちはいました。

最近になって日本のワインが海外のワインコンクールなどで高い評価を受けるようになってきたのも、そうした真面目な仕事を積み上げてきた人たちがいてこそ。

老舗酒造メーカーであるメルシャンは、2006年よりキリン傘下になっており、そのワイナリーであるシャトー・メルシャンはキリンのワイン事業の中核となっています。

シャトー・メルシャンでは、1976年からぶどうの栽培を開始。国産ぶどうでのワイン醸造を行って来ました。「日本ワイン」という定義ができるずっと前から国内栽培ぶどうでの国内醸造を行ってきたわけです。

シャトー・メルシャンは、自社製造の「日本ワイン」をすでにアメリカ、シンガポールに向けて輸出しています。その世界戦略の3箇所目に選ばれたのが香港。

香港政府は、2008年にワインへかけていた関税を撤廃し、アジアのワイン貿易の拠点になるという政策を打ち出しました。これは、中国本土の富裕層からのワイン需要が高まっているという事情もあるでしょう。

いわば香港は、アジアにおけるワインの集積地。香港が輸入していいるワイン原産国は、フランスを筆頭にオーストラリア、アメリカがせめぎ合っている状態。日本のワインは微々たるものでした。

一方メルシャンの日本ワインは、世界的なワインコンクールでも評価が高く、世界中のワイン生産国が鎬を削る香港に切り込んでいくには最もふさわしい企業だと言えるでしょう。

香港を起点に日本ワインの名声が高まれば、国内にもっと真面目なワインメーカーが増えるかもしれません。

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